有明山に抱かれるかのような
すばらしい田園地帯に、大竹さんの工房はありました。
住居と隣接した工房は
木工家の工房として、ザ・定番、まさに王道という雰囲気で
生み出される作品同様、あたたかみのある場所でした。
お邪魔した場所:大竹工房
お邪魔した日:2010年11月27日
お邪魔した人:飯島正章、狐崎ゆうこ、花塚光弘、前田大作
大竹さんの仕事場は「普通」だった。
建物はプレハブで(うちより広いし、基礎もしっかりしているけれど)、
開業時から使っている手押しかんな盤、横切り 盤、バンドソーなど、見慣れた大型機械が並ぶ。うちと似たような感じなので、いちいち比べてしまう。三脚とか、撮影の道具があるのがちょっと違う。大竹さ んは、ブログを毎日更新して、写真も(セルフで撮って)載せているそうだ。
そのブログをもとにして出版されたのが『木工ひとつばなし』(プレアデス出版)。
同業者の中で、ホームページを作る人は多いが、本を出す人は珍しい。知的な「先輩」だ。
この本、手作りの家具に興味がある人には参考になると思います。おすすめです。
さて大竹さんは4日前に個展を終えたばかり。
会場は元の職場に近いホールで、今は重職についている元同僚たちが毎年いろいろと協力してくれる。現在展示会はこの個展と、「木の匠」展くらいだとか。
「景気の良かった頃は半年先まで仕事があったけど、今は3ヶ月先まで仕事がない。」大丈夫?でもなぜか余裕しゃくしゃくという感じ。
帰りがけに、「ぜひこの厨子の中を見てほしい。」ということで、
わが取材陣はカメラを構えて群がった。扉の中身は制服姿のリカちゃん。
「着替えのベストもあるよ。」制服は奥さんの出身校のものだそうな。
奥さんではなく、大竹さんが是非にと購入したらしい。
その奥さんについて、著書のあとがきの最後にこう書いてあった。
「あなたの愛と助けがなければ、私の夢は何ひとつ叶えられなかった。それを私は、生涯胸に刻んで忘れない。」
仕事場は普通だが、なんだか大竹さんには謎がある。